Violon / Pierray, Claude vers 1720 Paris (1)

フランスの楽器製作の歴史はまず大きくミルクール派とパリ派に分けられるがこの二つは密接に関連している。その中で18世紀までの歴史は「エコール・ヴュー・パリ(オールド・パリ・スクール)」と言われ、それは

第1期 1700~1750

第2期 1750~1770

第3期 1770~

の3つに分けて考えられている。

フランス革命を経て1800年からは「モダン・パリ・スクール」となる。

 

Claude Pierray(クロード・ピエレイ)はこの中の第1期に属する。

 

Claude Pierray (活動期間 Paris 170?―c. 1740)* 

ぜひご注目ください。

  パリ古典派、初期のフランス人製作者の中では最高の巨匠の一人であるクロード・ピエレイは、ジャック・ボキュエイ(ボケイ)と同時代人だった。その楽器は弦楽器製作者たちの基準となりその重要な伝統に影響を与えた。ピエレイは職人として優れ、特に表板に高品質の木材を選ぶ傾向があり、洗練性と繊細さの点で上回っていると言う鑑定家もいる。一般的に二人の楽器は外観が似ていて基本的に「アマティ スタイルのレプリカ」を専門としており、ピエレイの作品はイタリア製とされることもある。二人の死後、ピエレイとボキュエイのラベルが貼り直されたバイオリンやチェロは、正真正銘の17世紀イタリア製としてオークションにかけられ、売却された。

現代では二人の作品として鑑定され直されているものもあり二人の名前の栄誉は確保されつつある。いずれにしてもこのように、音質に優れ、プロの音楽家にとって永続的な価値のある歴史的楽器でもあることを示している。

 

クロード・ピエレイのバイオリンの伝記的分類には、彼の生涯に関する現存するデータが少ないことから、常に一定の留保がつきものだが、今回のこのバイオリンはパリの伝統ある製作一家の鑑定を受けている。アマティ流派に基づくモデルの成熟したスタイルは、製作当時、優れた訓練を受け、職人として豊富な経験を積んだ名人であったことを示している。

高音域は豊かで輝きがあり、温かみがあり柔らかな音色で、要求の厳しいプロの演奏に十分に応えるものだろう。

  * オックスフォード大学出版局の「ニュー・グローブ音楽・音楽家辞典」ではピエレイの死亡日を「1729年12月28日」としているが、1997年から1998年頃に行われたサザビーズ楽器オークションでは、それよりも後の製造年と推定されるバイオリンがいくつか出品された。このように、ブルボン朝18世紀のパリ市ですら時には一部のデータが散逸するなどのために高名な楽器製作者の生没年が後年の研究でも特定できないという状態があったわけで、1500年当時のロンバルディア州の辺境の田舎にある小さな集落クレモナの生活者についての詳細な生没年の記録などは信憑性が・・・という話はまた別の話・・・。

 

No. LVn24-10

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